【前回のコラム】「「情熱がなければ、最後の最後に負けてしまうんです」 ――マイクロアド・渡辺健太郎社長に聞く」はこちら
CM制作大手のAOI Pro.の業績が堅調だ。率いるのは、4年前に44歳という若さで社長に抜擢された藤原次彦氏。前期の連結売上高は、社長就任時の2倍に達する勢いだという。
変化が激しい環境に対応していく次世代の人材をどう育成していくかを聞く本連載。「自ら背中を見せる」ことで力強くグループをけん引する藤原社長に、急成長を支える同社の行動指針と育成方針を聞いた。
変化が激しい環境に対応していく次世代の人材をどう育成していくかを聞く本連載。「自ら背中を見せる」ことで力強くグループをけん引する藤原社長に、急成長を支える同社の行動指針と育成方針を聞いた。
リーマン・ショックに背中を押された
——社長に就任した時の状況をお聞かせください。
44歳での社長就任は、当社の歴史からしても異例の人事です。当時すでに専務でしたので、いずれは経営を任されるとの心づもりはありましたが、想定より早く声がかかったというのが実感です。
これはリーマン・ショックが後押ししたと言えるでしょう。広告業界全体が打撃を受けたのは周知の通りで、当社も大きく売り上げを落としました。
一方で、テレビCMだけでなくWeb、さらにイベントやセールスプロモーション(SP)の複合提案を求められるなど、クライアントの要望が多様化していました。当然、現場にはフレキシブルな対応が要求されます。プロダクションのビジネスのあり方から見直していく必要がある、そんな中での社長就任でした。
——AOI Pro.の行動指針“AOISM(アオイズム)”は藤原社長が考えたものですね。
はい。2010年3月の社長交代発表後、4月1日の着任までの間に考えたものです。その後の全社ミーティングで発表しました。